2020年4月18日土曜日

「危機」は「協力」をつくり出すのか 6:レベッカ・ソルニット、島月園子訳『災害ユートピア』(亜紀書房、2011年)

213-214ページ
「重要なのは自由であり、自分の人生や活動を自ら決定できること。地震直後の数日間、私たちには、自分たちで何かを決定して実行できるという感覚がありました。二日後にはあの暴君に戒厳令やら夜間外出禁止令やらを発令させてしまった。大惨事の上に、そういった抑圧はとても耐えられるものではありません。それに、自分の人生が、たった一夜、地球が揺れただけで大きく変わってしまうことを悟ったならば、「だからどうだっていうの? 私はいい人生を送りたいし、そのためなら命を危険にさらしてもかまわない。しょせん、一夜のうちに失いかねない命ならば」と思ってしまうのです。いい人生を送らなければ、生きている価値はないと。それは大惨事の間に誰もが体験した、深いところで起きた変化でした。臨死体験のようですが、この場合、多くの人が同時に体験しました。それは人々の行動に大きな違いを生み出します。そういった体験は、人々の中から一番いい部分を引き出すのです。人々が自分のことだけを考えるのをやめる場面を、私は何度も目撃しました。何かがきっかけとなり、人間は突然、仲間のことや、集団のことを考え始める。それが人生を意義深いものにしてくれるのでしょうね」

0 件のコメント:

コメントを投稿