大阪の自由労働者連合からの告知です。
ところで、かつて、広島集会でのデモで、この大阪の団体メンバーの一人が、広島の平和記念式典に抗議して「死者を束ねるな!」「一人ひとりの顔を思い出せ!」と叫んでいましたが、それと全く同じことを、約100年前のイギリスで言った人に関するエピソードが、ルース・キンナ著、米山祐子訳『アナキズムの歴史-支配に抗する思想と運動』(河出書房新社、2020年)の冒頭に出てきます。大阪、広島、そしてイギリスがつながりました(?!)。
というわけで、今年の広島集会に向けて学習会です。大阪近辺の方は、ぜひ、西井麻里奈著『広島復興の戦後史』を持って(持たなくても)、以下の会合にご参加ください。
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かつて広島の爆心地に「原爆スラム」と呼ばれ、人々から蔑まれ、追い出され、市民の記憶からも忘れさられた土地がありました。原爆ですべてを奪われながらも生き延びた被爆者がその土地でバラックを建て、被爆者間の格差や矛盾など様々な「痛み」を持って身を寄せ合い、重度の被爆やその後の原爆症で苦しみながらも助け合って生きぬき、やがて「戦後復興」の中でとり残されます。そして、いつまでも原爆の記憶を引き摺る「不法占拠者」として、いち早く生活を再建したその他の広島市民からは忌み嫌われ、石を投げられ、行政からは追い出しの圧力をかけられます。「戦後復興と平和都市建設」の名のもとに街は強制撤去され、その土地の上に広島平和記念公園と旧広島市民球場が建設されました。
「原爆スラム」の被爆者を踏みつけ、追い出した上で建設した広島市民球場で広島市民は熱狂し、広島平和記念公園には8・6ヒロシマを軸に世界中から多くの人々が訪ねてきて、被爆者や遺族、修学旅行、平和学習、政府要人や右翼、反戦反核活動家など様々な動機と思いの下に平和を祈念し、平和を考え、平和を誓います。
広島の爆心地で戦後復興と平和都市の名の下に何がおこなわれたのか、を探り知ることは、侵略戦争と戦争責任、格差と貧困、震災復興や福島原発事故、コロナ禍における様々な不公正など現在の私たちが絶えず問われ続けていることへと繋がっているものと考えます。
「原爆スラム」の記憶と記録を掘り起こし、丹念な調査研究を積み重ねてこられた西井麻里奈さん(大阪大学文学研究科助教)の渾身作『広島復興の戦後史-廃墟からの「声」と都市』(人文書院/2020)を読みながら、かつての「原爆スラム」について約3ヶ月(計6回)に分けて学んでいきます。興味のある方は、御都合のあう回だけでも結構ですのでお気軽にご参加ください。
【日時】 第1回 2021年3月16日(火)13時~
第2回 2021年3月30日(火)13時~
【会場】 大淀コミュニティーセンター(←修正しました。お間違えないように)
資料代 500円
※資料やレジュメの準備の都合上、なるべく事前に連絡いただければと思います。
『広島復興の戦後史』を読む会
(連絡先) free_workers_federetion@riseup.net