グスタフ・ランダウアーからマルガレーテ・ズスマンへの1919年1月13日付け書簡より
To Margarete Susman, Krumbach (Swabia), January 13, 1919, in: Gustav Landauer, Revolution and Other Writings: A Political Reader, PM Press, 2010, pp.321-322.
Translated in Japanese by Hikaru Tanaka
マルガレーテ・ズスマンは、ドイツの左派系の評論家で詩人である。ランダウアーは彼女のパンフレット『革命と女性』(1918年、フランクフルト・アム・マインで出版)に対して感想を送っている。この手紙の中にはドイツで起きている革命に関するランダウアーの簡潔な評価も示されている(注1)。
親愛なる友へ
あなたの美しいパンフレットは厳しい試験をパスしました。バイエルンの最初の議会選挙の結果をちょうど受け取ったあと、私はあなたのパンフレットを読みおえました(注2)。選挙は、すべて私が予測していた結果となりました。しかしながら、このことはいかなる喜びももたらしません。私たちが孤立の中に居続けた時代、寂しかった時代に、私たちを戻すものです。
革命では投票や議会に信頼を置いてはいけません。革命においては、大衆を新たに形作り教育するために新しい社会構造を活用しなければなりません。私たちが恐れているのは、古くさくなった政党政治にまたもや関わらなければならないということです。すなわち、反革命とやりとりをすることにならないかということです。民衆が、もうこれ以上受け入れられないと思うところまで悲惨な状況になるまで、この反革命は長い間続くでしょう。
[中略]
あなたのパンフレットの中で一箇所については誤っているところがあります。6頁から7頁にかけてのところには加筆が必要です(注4)。革命とは、あらゆる点で、人びとに幸福をもたらすものです。そして、革命は、今ここでの実感の伴った救済を人びとにもたらすのです。私たちがここで関わった革命は、数時間、あるいはおそらく数日間、偉大で現実的でした。なぜなら革命は、解放、身体的な喜び、そして我々の兵士に救済をもたらしたからです。しかしそのあと、どのように進行するか、ということはわからなかったし、人びとに対して現実的なものを提供することができませんでした。すなわち、人びとが苦境から脱することができる何ものかを提供しなかったのです。これで革命の発展が中断しました。この中断はいまだ続いています。
救済は、新しい経済によってのみもたらされます。危機の際にのみ社会主義は私たちが望むものを提供することができます。社会主義は自由な行動と絶望的な必要性の組み合わせから生まれます。以上のことについて、いくつかは『社会主義への呼びかけ』の新版の序文で述べています。すぐに一部お送りしましょう。他にもたくさんのことをおつたえしなければなりませんが[中略]
親愛なる グスタフ・ランダウアー
(注1)ズスマンはランダウアーの死後彼を追悼して二つの評論を発表している。二つともタイトルは「グスタフ・ランダウアー」である。発表されたのは Masken, 1918-1919およびDas Tribunal, June 1919.
(注2)バイエルが1918年11月に共和国樹立を宣言してから最初に行われた1919年1月12日の選挙で、革命を主導したアイスナー率いる独立社会民主党は社会民主党と保守のバイエルン人民党に大きな差をつけられて敗北した。
(注3)省略 工事中
(注4)ズスマンは「革命の基本的な意味」との「和解」を主張し、革命とは「未来のことであり、現在のことではない」と書いている。Margarete Sussman, Die Revolution und Frau, Frankfurt am Main: Das Flugblatt, 1918, pp.6-7.
0 件のコメント:
コメントを投稿